アメリカで行われている精密根管治療では、使用できる器具や時間に制限がありません。そのため、約90%の高い成功率を保っており、再治療を繰り返すリスクを抑えています。
日本と海外の「根管治療」の違い
こちらは、各国の根管治療にかかる費用のグラフです。根管治療は、日本の歯科医院でも広く行われていますが、諸外国と比べて治療にかかる費用に大きな差があります。これは保険診療のおかげともいえますが、そのぶん、治療内容にも差があるのが現状です。
海外では、「根管治療」が専門的な領域として確立し、先進的な技術の導入も積極的に行われています。対して日本では、制限がかけられた保険診療の中で治療が行われることが多く、先進的治療を受けにくい状態にあります。
「根管治療」の成功率を高めるには、先進機器を使用し、専門性の高い治療技術が必要になります。ただ、そのために使用する機器や設備などが、すべて保険診療の対象になっているわけではありません。
にしおわり中央歯科おやこ歯科では、再治療のリスクを軽減し、いつまでも健康なお口を維持するために、世界基準の根管治療を提供しています。必要な設備も積極的に導入し、新しい治療法も柔軟に取り入れるよう心がけ、さまざまなセミナーにも積極的に参加し、日々研鑽を積んでおります。
point 1マイクロスコープで視野を拡大
精度の高い治療を実践
にしおわり中央歯科おやこ歯科では、歯科用顕微鏡である「マイクロスコープ」を5台導入しています。そのため、1台のメンテナンスを行っているときでも、他の4台で対応可能です。最大20倍まで拡大できる視野の広さで、複雑な歯の内部まで確認できます。実際に歯科医師の目で確認しながら治療を行えるので、感染した部分を取り残さない、精度の高い治療をめざせます。再感染のリスクを軽減できるため、患者さまの負担を減らすことにつながります。
肉眼のみ
マイクロスコープを使用
マイクロスコープは、見えにくいところまで見せてくれる望遠鏡
マイクロスコープを使った治療と使わない治療、
どちらを選びますか?
point 2安全性の高い治療を行う
さまざまな治療器具
根管内の治療は難易度が高いものです。歯の根の内部は非常に複雑な形状をしている上に、視野が狭く、奥にいくほど暗くなります。そのため、高度な技術と時間が必要といえるでしょう。当院では、精密根管治療の安全性と精度を上げるためにさまざまな治療器具を活用しています。
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根管治療器(トライオートZX2)
根管治療専用の機器です。根管内の感染部分を除去するときに使います。軽くてコンパクトな形状で、根管の内壁にこびりついた神経の残りや古い詰め物など、手では取りきれないところまできれいに取り除きます。
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根管長測定器
歯の根の長さを測る機器です。歯の根は直接見ることができないため、長年の経験による感覚やレントゲンで撮影した画像とともに、根管長測定器を使って根管の長さを把握します。
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高周波治療器
根管長測定器に追加して、機能をバージョンアップさせる機器です。
「高周波治療」を使用した歯科治療は、さまざまなケースに取り入れられています。根管治療においても、感染部分を焼灼(電気で焼き切る)することができるなど、治療の選択肢の幅を広げることができます。
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エンドモーター
「エンドモーター」とは、暗くて細く、複雑な形をしている根管部分を処置しやすいように拡大する機器です。根管内の形状を整えられるので、効率的な根管治療が可能になります。また、治療時間が短縮できるので、患者さまの負担を軽減することにもつながります。
ラバーダム防湿細菌が根管へ入り込むのを防ぐ
「ラバーダム防湿」とは、根管治療をより清潔な状態で行うために必要な治療方法です。
治療したい歯だけが露出するようにゴムのシートを装着して治療することで、唾液や細菌などの侵入を防ぎます。
丁寧に歯を磨いている人でも、1000~2000億個ほどの、さまざまな細菌がお口の中に存在しています。それらの細菌が治療中の歯の根に入ると、むし歯の再発を招く恐れがあるため、「ラバーダム防湿」の使用には、根管治療の成功率を高める効果があるのです。
「ラバーダム防湿」は、日本以外の先進国では一般的に使用されていますが、日本でのラバーダム防湿の使用率はまだ少ないといえるでしょう。
にしおわり中央歯科おやこ歯科では、精密根管治療を行うときは、患者さまの安全性を考え、「ラバーダム防湿」を使用した治療を行っています。ご自身の歯を大切にし、できるだけ歯を残す治療を行うためにも、欠かすことのできない治療方法です。
今から60年ほど前に、ラバーダムの重要性に関する論文が発表されました。
実験用のネズミを2つのグループに分け、片方を細菌に感染させ、片方を無菌にします。その状態で歯に穴をあけた場合、細菌に感染したネズミは病気になり、無菌のネズミは病気にならなかったというものです。
この結果は、細菌の感染が病気になるかならないかを左右するということを示し、根管治療のラバーダムの使用についても議論を巻き起こすきっかけになりました。
ラバーダムは治療が必要な歯だけを露出するので、細菌の侵入をできる限り防ぎます。使用しないと、細菌の再感染リスクが高まり、病気をくり返してしまうかもしれません。
例えて言えば、ラバーダムは豪雨の中のレインコートのようなものです。膨大な量の細菌が含まれる唾液に濡れないように歯を守り、お口の中が傷つくことも防いでくれます。大切な歯を保護しながら、精密な根管治療を可能にします。
ラバーダムは、細菌だらけの唾液や湿気から大切な歯を守る「レインコート」
ラバーダムを使う治療と使わない治療、
どちらを選びますか?
ニッケルチタンファイル複雑な根管の細部まできれいにする器具
ステンレススチールのファイル
保険診療では、硬いステンレススチール製のファイルを使います。湾曲した根管には対応しにくく、感染部分を取り残して再発の可能性が高まります。
ニッケルチタンのファイル
自由診療では、根管にしなやかにフィットするニッケルチタン製のファイルを使います。複雑な形状でもきれいに感染部分を取り除けます。
ステンレススチールのファイルは、曲がった形の根管に合わせられず、すみずみまできれいにすることは難しいです。一方、ニッケルチタンのファイルは柔軟性があるので曲がった根管の内部もきれいにできます。
ニッケルチタンファイルは、形に合わせて
掃除できるロボット式掃除機
ニッケルチタンファイルを使った治療と
使わない治療、どちらを選びますか?
MTAセメント高い密封性と殺菌性のある医療用セメント
ガッタパーチャ
保険診療では、樹脂性天然ゴムでできた素材で神経を抜いた根管の中を充填します。すき間ができやすく、細菌が侵入しやすいので再び感染するリスクがあります。
MTAセメント
自由診療では、根管の内部にぴったりと密着するMTAセメントを使用します。殺菌性もあり、再発リスクを軽減できます。また、劣化しにくく、吸収されてしまった骨や歯の再生を促す作用もあります。
MTAセメントは、空間をぴったりと埋める
パズルの最後のピース
MTAセメントを使った治療と使わない治療、
どちらを選びますか?
使用した治療器具は
徹底的に滅菌します
当院では、世界的にみても高水準の「クラスB」といわれる滅菌器を導入し、院内感染予防に努めています。器具についたウイルスや細菌を徹底的に消毒・滅菌し、患者さまごとに取り換えています。
point 3歯科用CTで精密な診査・診断を
一般的なレントゲン写真では、根管の状態を詳細に把握することが難しいため、精密根管治療に歯科用CTは欠かせません。歯や神経、血管の位置、顎の骨の厚みなどをできるだけ精密に確認し、根管内をすみずみまで殺菌・消毒するためにも、歯科用CTによる立体的な3D診断が必要になります。
また、歯科専用のCTは、医科用のCTとくらべて撮影時間も短く、X線を照射する部位もお口の周りに限られるため、被ばく量を抑えられます。
歯科用CTを活用するメリット
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●見えない部分も把握できる
表面的なレントゲンでは重なり合って見えない部分も詳しく確認できるため、歯の根の状態をより的確に把握することができます。
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●あらゆる角度から原因を確認できる
口内だけではなく、顎の骨の状態なども確認できるので、あらゆる角度から症状の原因をつきとめられ、治療の精度を大きく向上させられます。
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●安全性に配慮した治療を実践できる
根管の内部は複雑に枝分かれして、あちこちに湾曲しているケースもあります。事前に歯の根の状態を把握することで、安全性の高い治療を行えます。
CTは、複雑な迷路のゴールまで
示してくれるコンパス
CTを使う治療と使わない治療、どちらを選びますか?
point 4じっくり時間をかけられる
保険診療の治療では治療時間の制限がありますが、精密根管治療ではじっくり時間をかけて治療を行えるため、再発のリスクを抑えることが可能です。治療時間が長くなりますが、その分感染部分を取り残さず治療を行えます。再発を繰り返すと、それだけ治療回数が増えてしまうので、しっかり時間をかけて丁寧な処置を行い、歯を長持ちさせる治療に努めます。
Before
After
Before
After
Before
After
治療の際に守っている「7つのベーシック」をご紹介します。
当院では患者さまの歯を1本でも多く残し、健康寿命を伸ばせるように心がけています。進行したむし歯も抜歯をせずに残したい、という患者さまのご希望にお応えできるよう、高精度な精密根管治療を提供しています。
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1できる限り「痛み」に配慮します
歯科治療や痛みに恐怖心や不安感がある方も、痛みに配慮した治療を行っていますので、おまかせください。
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2根管治療を行うための準備も丁寧に行います
使用している古い詰め物や被せ物の下に隠れているむし歯も丁寧に取り除きます。
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3根管治療中でもお食事に困らないよう心がけます
仮歯を入れるときも、しっかりかみ合わせを整え、細菌の侵入を防ぎます。
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4滅菌対策を徹底しています
世界的にも高水準の「クラスB滅菌器」を導入し、患者さまごとに滅菌対策を行っています。
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5「マイクロスコープ」を使用した治療を行います
肉眼では見えない患部を最大20倍に拡大して処置を行い、再治療のリスクを軽減しています。
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6複雑な形状をした根管を処置できる「トライオートZX」を使用しています
柔軟性のあるニッケルチタンファイルを使用し、安全性の高い治療を行います。
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7精密根管治療のあとも、丁寧に補綴(ほてつ)治療を行います
治療であけた穴を精密に防ぎ、しっかり歯の機能を回復させます。
精密根管治療の
リスクの可能性について
- 1. 根管治療が終わったあとも、再治療や再処置が必要になる可能性があります。
- 2. 根管治療は、さまざまな機器を使用して治療を行いますが、機器の破損により異物が根管内にとどまる危険性があります。
- 3. 詰め物・被せ物などの人工物が取り除けない場合は、治療を中断するケースがあります。また、除去時に歯や歯根が割れると、抜歯になる恐れがあります。
- 4. 歯科医院で使用する麻酔薬や注射などの薬剤により以下のような症状が現れる可能性があります。
①腫れ ②感染 ③血が出る ④不快な症状 ⑤痛み ⑥吐き気 ⑦アレルギー反応 ⑧唇や舌、歯ぐき麻痺やしびれ
- 5. 根管治療以外の選択肢もありますので、治療前のカウンセリングでしっかりご説明いたします。
地域の皆さまのホームドクターとして、進行したむし歯のお悩みに対応いたします。
自分の歯を残すことをあきらめないで、にしおわり中央歯科おやこ歯科までご相談ください。